私は長年、脳外科医として急性期医療に従事し、「命を救う」ことを使命として働いてきまし
医療技術だけでは太刀打ちできないことにも気づきました。ずっと患者さんを「治そう」と頑張ってきましたが、医学のできることには限りがあるのです。
脳の手術をすればQOL(Quality of Life:生活の質)が低下することは多いですが、それで本当に患者さんが幸せかどうか、わからなくなりました。何とかしたいのに、何ともならない医療に、だんだんと疑問を持つようになりました。
なにかがおかしい。こんなはずではない…。深刻な脳の病気や、日常的な風邪やアレルギー、さまざまな病気で治療を続けていても、ちっとも治らない。
命を救えても、人生を救えない。
医療の本質とは何か? それは医療技術により急場を凌ぐことであり、治すことが目的ではない という結論に至ってしまいました。
主治医から勧められる治療法に、なんとなく納得できないまま不安を抱えていないでしょうか。
これでよいのだろうか?
本当によいのだろうか?
私がたくさんの患者さんの声を伺ってきて分かったことは、主治医の説明に納得できないまま悶々とされている方が、もの凄くたくさんおられることです。
私はそんな方々に、手掛かりをお伝えしたいと思っています。
示された治療方針に「どうしたらよいか分からない」とおっしゃる方がたくさんいます。がんの診断を受け、手術・放射線・化学療法を提示され、動揺する方々、通い続けても治らないアトピー性皮膚炎や難病で苦しむ方々…。
その暗中模索から、抜け出すヒントをお伝えしたいのです。どうしたらよいのかが分かれば、漠然とした不安は減っていくはずです。
先ずはお一人おひとりの病状と、これから行われる医療とを、正しく理解することから始めます。
次に、それらを踏まえた上でご自分はどうしたらよいのかを見いだすことへと繋げてまいります。
私が大切にしていることは、
誰もが分かる言葉を使い、
誰もが分かる例えで、
分かりやすくお伝えすることです。
これまでお伝えしてきた皆さまは、病状と医療を十分に納得され、人生の希望を見いだされています。自分の足で、自分の人生を歩むことができるでしょう。
本当の医療の在り方とは、その人がより幸せになることなのです。
受ける医療について、本当のことが理解できれば、頭の中が整理されて決断力が増すと思います。
ご自身の治療方針で分からない点があれば、素朴な疑問も放置せずにご相談ください。主治医の先生との上手に付き合っていく方法をお伝えしてまいります。